現紙幣「ピン札」じわり不足 新紙幣移行で製造終了、披露宴やお釣り…影響拡大も

 西日本新聞「あなたの特命取材班」に、金融機関の関係者から紙幣の新券(ピン札)についての投稿がありました。2024年度上期に新デザインの紙幣発行が始まるのに伴い、現在の紙幣の製造は22年度に既に終了。取材すると、金融機関の窓口やホテルで、じわりピン札不足が広がっていました。みなさんの地域ではどうでしょうか。(仲山美葵)

【図解】現紙幣から新紙幣への移行と製造状況

【投稿】
 金融機関に勤務しています。ピン札への両替の件で、困っています。

 お祝い用などで新券を望む人がもともと多かったのですが、コロナ禍で「お金が汚いから」と財布の中を全部新券にしたがる人が増えたこともあり、慢性的に新券は不足していました。

 さらに2024年に紙幣のデザインが変更されるため、現デザイン紙幣の製造は既に終了。金融機関ごとに新券の割り当てが決まっていて、これ以上、手持ちが増えることはないようです。

 窓口に来る人に、毎日同じ説明を繰り返さなければなりません。もっと世の中の人に、その事実を知ってほしいと思っています。

【あなたの特命取材班から】
 2024年度上期に新デザインの紙幣発行が始まるのに伴い、現行の紙幣は既に製造が終了しています。つまり、現紙幣のピン札の残りは日ごとに減っています。

 日本銀行によると、1年間に製造される紙幣は1000円札、5000円札、1万円札を合わせて約30億枚。日銀は過去数カ月の各金融機関の使用実績に応じ、その割当量を決めています。約30億枚は毎年ほぼ全量、古い紙幣と交換する形で金融機関にわたり、個人や法人取引を通じて世の中に流通しているといいます。

 現行紙幣の製造は22年9月までに終わり、さらに22年度に造られた約30億枚の紙幣の半分は新紙幣でした。新紙幣の発行がスタートするまでの〝空白期間〟は1年半以上。例年実績からすると、ピン札は日銀を離れ、既に金融機関に移っているはずですが、それについて日銀は「既に割り当てを決めている。交換まで終了しているかは、その金融機関次第だ」と説明するにとどまります。

 既に交換を終えた金融機関であれば、現行紙幣は手元にあるのみ。手持ちのピン札を、金融機関がどのように流通させていくかに課題が移ります。

 取材班は、福岡市内の複数の金融機関の窓口で尋ねてみました。ある店舗では「こちらに入ってくる新札の量が減り、今後は交換に制限を設けることがあるかもしれません」という説明。別の店舗で...

詳細はサイトで
https://news.yahoo.co.jp/articles/e6e9869b8c233b4982cb28ad921fb90ee757c13d