「赤信号でイライラ…コンビニの駐車場を突っ切れば、ショートカットできる」

こんな思いで、交差点に入らず、駐車場を通り抜けて近道する危険行為“コンビニワープ”が問題視されています。

あなたの家の周りで、見かけませんか?危ないと感じていても、専門家は「簡単には取り締まれない」と話します。なぜでしょうか?

「コンビニワープの名所」と呼ばれている、大分市内のとある三叉路交差点。

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閑静な住宅街の市道(片道1車線)から、片道2車線の国道につながる交差点で、朝の通勤ラッシュ時はおよそ13台~15台が、市道で赤信号を待つ列をつくります。

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筆者が計測した時点(6月22日午前8時ごろ)では、赤信号の待ち時間は1分43秒。一方で、青信号はわずか27秒でした。
最後尾の車は青信号が変わるぎりぎりのタイミングで交差点に進入します。

そのような丁字路の左側に広がるコンビニの駐車場…誘惑にかられやすいのかもしれません。

次々と、車がスピードをゆるめず、そのまま国道へ「ワープ」していきます。

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この日は朝8時から9時までのたった1時間で、5台がショートカットをしていました。

付近には中学校があり、自転車で通学する子どもたちの姿も多く見られるため、ヒヤリとしてしまいます。

近くで働く人「ショートカットする車がめちゃくちゃ多いんですよ・・・非常識な人がたくさんいます。時間に余裕のない方が多いんですかね。
私自身も、ここの駐車場からバックで出ようとしたら、横から通り抜けする車に、ぶつかりそうになったことがあります」

違法ではないのでしょうか?交通事故トラブルに詳しい深田法律事務所の深田茂人弁護士に聞いてみました。

――コンビニワープは違法でしょうか?

「『明らかに違法です』という話にはならない、難しいところです。まず、コンビニワープという行為自体を規制する法律はありません」

「駐車場の形状など個別の事情によって当然異なりますが、コンビニ側がコンビニワープを容認していないとしても、通行を一切禁止にしているわけではないですし、
『コンビニに寄ろうと思ったんだけども、ちょっと用事を思い出して、またすぐ出ようと思った』という言い訳もきくので、不法侵入にあたる可能性が低く、立件も難しいです」

――「コンビニワープお断り」と店側が看板を掲げて、それを破ったとしても、取り締まりは難しい?

「それでも、建造物侵入(不法侵入)にはなりにくいです。そのような看板があれば、コンビニワープは“正当な理由”がない侵入といえますが、
やはり『用事を思い出して出ようと思った』という言い訳をされる可能性を考えると、立件は難しいですね。
また、塀などの一定の囲いがないと、建造物侵入にならない点も立件が難しい理由の1つです」

――スピードをゆるめず、危険な運転だとしても難しい?

「私有地の敷地内は、原則として道路交通法の適用がないため、警察が取り締まることができません。
ただ、駐車場の形状によりますが、不特定多数の人や車両が自由に通行する場所であれば、例外的に道交法が適用され、道路交通法70条の安全運転義務違反などが適用される可能性はあります」