アイスランド、捕鯨を8月まで中止 動物愛護法を考慮

【AFP=時事】アイスランドのスバンディス・スバーバルスドッティル(Svandis Svavarsdottir)食料・漁業・農業相は20日、動物愛護の観点から今年の捕鯨を8月31日まで中止すると発表した。同国は2024年以降、商業捕鯨枠の設定を中止する方針を非公式に明らかにしており、物議を醸してきた捕鯨の歴史に終止符が打たれる公算が大きい。

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 動物愛護団体や環境団体はこの決定を歓迎。動物愛護団体「ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル(Humane Society International)」は、「心優しいクジラの保護における重要な節目」としている。

 食品・獣医学当局はナガスクジラの捕獲について、死なせるまでに時間がかかり過ぎ、動物愛護法の趣旨に反していると結論付けた。合わせて、クジラがとどめを刺されるまで5時間にわたってもがき苦しむ様子を捉えたショッキングな動画も公開した。

 スバーバルスドッティル氏は「政府と免許事業者が動物愛護法の要件を満たすことができなければ、捕鯨に未来はない」と述べた。

 アイスランドで現在も捕鯨を続けている企業はクバルル(Hvalur)1社のみで、同社のナガスクジラの捕獲免許は年内に失効する。

 同国の捕鯨シーズンは6月中旬から9月中旬までだが、クバルルがシーズン末期に捕鯨を再開する可能性は低い。【翻訳編集】 AFPBB News

https://news.yahoo.co.jp/articles/2b364b9def0a81fa67eb3ce9736a95b2b8671e28