【主張】沖縄「慰霊の日」 県民守り抜く決意新たに

玉城デニー知事は平和宣言で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設断念などを「求め続ける」と述べた。

防衛をめぐっては、南西諸島を含む日本の防衛強化に向け、政府が昨年12月に閣議決定した安保関連3文書について「県民の間に大きな不安を生じさせている」と批判した。

県民を守るべき立場にある玉城氏が、これら2つの考え違いを追悼式で披露したのは残念だ。

普天間飛行場は市街地に囲まれている。周辺で暮らす県民の命を守るため移設は急務だ。玉城氏や県の辺野古移設反対が危険性除去を妨げている。

安保3文書は防衛力の抜本的強化を図る内容だ。沖縄を含む日本を攻撃しようとする国が現れる場合への備えである。それを不安の原因と難じるのはおかしい。

警戒すべきは、たとえば中国の動きである。4日付の人民日報は、習近平国家主席が沖縄の島である尖閣諸島(石垣市)に関連し、「琉球」と中国の交流の深さに言及したと報じた。

中国に狙われているのは沖縄そのものではないかという警戒感を持つ必要がある。台湾有事が沖縄へ戦火をもたらす恐れもある。

玉城氏は中国や北朝鮮の脅威を直視し、政府や自衛隊と協力して県民を守り抜く態勢を整えてほしい。それこそが、平和を守る抑止力を構成するのである。

https://www.sankei.com/article/20230624-S2KUOFTFP5POJFI6JUHZJUV34M/