中東の政治秩序が、ほぼ「アラブの春」の前に戻った。民主化を弾圧したシリアはアラブ連盟に復帰し、民主化を進めたチュニジアは独裁に回帰する。サウジアラビアはイランとの断交を解消し、トルコでは長期政権がさらに続く。
いずれも米国が望む展開ではない。人権重視などバイデン政権の外交は中東では歓迎されず、影響力回復をめざしたブリンケン国務長官のサウジ訪問も両者の隔たりを示した。