プリゴジン氏説得の内幕、ベラルーシ大統領明かす「道中で君は虫けらのように潰される…」
2023/6/28 08:53


ロシアの民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏による武装反乱で、調停に関与したベラルーシのルカシェンコ大統領は27日、国内行事での演説で調停の内幕を明らかにした。国営ベルタ通信が伝えた。ルカシェンコ氏は、ショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長ら露軍上層部とプリゴジン氏という「有名人の個人的対立が今回の『けんか』を引き起こした」との見方を示した。

ルカシェンコ氏によると、反乱発生後の24日朝、プーチン露大統領からの要請でプーチン氏と電話会談を実施。ルカシェンコ氏は「悪い平和より良い戦争の方がましだ」との格言がロシアにあることを念頭に「どんなに悪い平和でも戦争よりましだ」と持説を述べ、強硬手段を避けてプリゴジン氏と交渉するよう提案した。プーチン氏は「無駄だ。彼は電話に出ず、誰とも話そうとしない」と述べたという。

しかし、ルカシェンコ氏が部下や知人を介して電話を試みると、プリゴジン氏は応答した。ルカシェンコ氏が「何を望んでいるのか」と尋ねると、プリゴジン氏は「ショイグとゲラシモフを私に引き渡すようにしてほしい。プーチン大統領に会う必要がある」と述べた。

ルカシェンコ氏が「彼らの引き渡しは無理だ。こんな状況ではなおさらだ」と伝えると、プリゴジン氏は「われわれが望むのは正義だ。やつら(ショイグ、ゲラシモフ両氏)はワグネルを窒息させるつもりだ。われわれはモスクワに行く」と述べた。ルカシェンコ氏は「道中で君は虫けらのようにつぶされるだけだ」と再考を促したという。

長時間の説得の末、ルカシェンコ氏は「君の好きにするがいい。だが私に腹を立てるなよ。(ベラルーシ軍の)旅団をモスクワに派遣する準備をしている。ロシアの混乱はベラルーシにも波及するからだ」と伝達。その上でベラルーシがプリゴジン氏を受け入れ、安全を保証する調停案を提示した。

これに対し、プリゴジン氏は「指揮官らと相談したい」と返答。数時間後、プリゴジン氏は提案を受け入れ反乱を中止するとルカシェンコ氏に伝えたという。

プリゴジン氏、ベラルーシ大統領と会談か

https://www.sankei.com/article/20230628-XTGQBBZX3JIOZLOLOE5IJJ7ULI/