中国人観光客は「怖くて」日本に戻れず…訪日客数がコロナ前の1割未満の事情

中国で「海外旅行が解禁」されても
訪日中国人はコロナ前比で1割未満

 2022年12月7日、中国政府はゼロコロナ政策を180度転換した。事実上の撤廃・放棄だった。翌23年1月8日には、コロナ禍で禁止していた観光目的の海外出国を解禁し、再び中国人が海外旅行できるようになった。

 ところが、訪日中国人は戻っていない。日本政府観光局(JNTO)が5月17日に発表した訪日外客統計によると、23年1月~4月までに日本を訪れた中国人は25万1600人。これは、新型コロナウイルスの感染拡大前である19年比でマイナス91.3%だ。

 つまり、過去最多約959万人の中国人が日本を訪れた19年の1割も回復していないことがわかる。海外出国は解禁されたはずなのに、なぜ訪日中国人は増えないのだろうか。

 23年1~4月における国別訪日客は、韓国が頭一つ抜けて多く、2位は台湾、以下は香港、米国、タイ、中国、ベトナムと続く。

 ちなみに韓国は、コロナ禍前の約8割、台湾は7割ほどまで回復している。さらに、コロナ禍前よりも訪日客が増えている国もある。伸び率が高い順にベトナム、シンガポール、中東地域、米国だ。

「中国語っぽい言語を話す観光客」は
台湾人のケースが多い

 しかし、「インバウンドが増えて、中国語のような言葉を話す観光客をよく見かける」と思った人もいるかもしれない。実は現在、観光地で中国語っぽい言葉を話している人の多くは台湾人である。

続く
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