【独自解説】歌舞伎界のため命削って追い込んだ猿之助
並外れた責任感のウラに先代の背中と観客の大きな期待?! 専門家が解説
https://news.yahoo.co.jp/articles/90a4f4c4e7286f06e10f8da93ddb2c5c6cd56791

Q.襲名は本人も覚悟していたということですか?
(歌舞伎研究家・高木秀樹氏)
「先代猿之助の得意としてきた芸を継承してきました。単に血縁だから襲名したわけではありません」

Q.子どもの頃にもすごいエピソードがあるということですが…
(高木氏)
「忘れもしません。昭和60年10月だったと思います。
雙生隅田川(ふたごすみだがわ)という演目なのですが、三代目猿之助と今の菊五郎、
そして当時の亀次郎(猿之助容疑者)が宙乗りするのですが、
亀次郎は、高い位置に来るとわざとバランスを崩して落ちるふりをするんです。
そうすると客席から『きゃー危ない』と悲鳴が上がるんです。
10歳の亀次郎がわざとそういうことをするんです。なんてやつなんだと思いました」

(中略)

今回の事件の10日前にスポーツ報知は猿之助容疑者に単独インタビューをしています。
明治座「奮闘公演」の真っただ中で、公演終了後に設定されていました。
予定時間は15分でしたが、3分オーバーの18分にわたって話したということです。
次の歌舞伎座「六月大歌舞伎」での市川中車(香川照之)と團子の共演への意気込みと狙いをメインに、
話を展開したということです。その中で猿之助容疑者は“歌舞伎の舞台に立つ覚悟”として
「どこかで命を削っているのでしょう…」
「人気回復のためには走り続けるしかない。猿翁さん(三代目猿之助)はもっと過酷だったはず」
と語っています。

(中略)

Q.猿之助容疑者は歌舞伎に情熱と人生をかけているということですか?
(スポーツ報知・デスク 高橋誠司氏)
「『六月大歌舞伎』が市川中車の久々の晴れ舞台だということで、
澤瀉屋一門の将来もかかっている大舞台だったのですが、
そこで自分も頑張らないといけないという意味で前のめりになって話していて、
『命を削る』という表現をしたと思います」

Q.猿之助容疑者は演じるだけでなく、プロデュースも制作もしますよね?
(高橋氏)
「責任感がとても大きくて、澤瀉屋だけでなく歌舞伎界全体を考えて、
自分が仕切らなければという思いに人並み外れたものがあったと感じます」

(中略)

Q.大変惜しい才能だと思いますが…
(高木氏)
「役者としてもプロデューサーとしてもそうです。
夢枕獏氏の『陰陽師』の新しいバージョンを猿之助自身が台本を書いたりしています。
演出もしますし、役者以外の業績もありますし、私は早く帰ってきて欲しいと思っています」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年6月28日放送)