新型コロナウイルスのワクチン接種による健康被害が疑われる人が申請する国の救済制度について、熊本県は6月30日現在、県内で37件の被害が認定され、うち1件は2021年度に申請があった死亡事例だったと発表した。否認は7件で亡くなったケースはなかった。

 県はこれまで、認定や否認の年度ごとの内訳や死亡事例の件数について公表していなかった。県健康危機管理課は「県議会や報道機関から質問があり、関心が高い事柄だと判断した」として運用を改め、今後は半年に1回程度公表する。

 認定37件の内訳は、専門家でつくる審査会で救済の可否の審査が始まった21年度が33件、22年度が4件。否認は21年度5件、22年度2件だった。県が6月定例県議会の厚生常任委員会後に明らかにした5月24日時点と比べると、申請は3件増の累計114件。死亡事例も2件増えて13件だった。一方、審査中は70件。

厚生労働省が公表している審議結果や県のまとめによると、全国の申請累計は6月26日現在で7966件。認定2881件(死亡事例103件)、否認405件(同4件)で、審査中は4680件。

 同課は「被害の認定があったのは事実だが、ワクチンの重症化予防効果と副反応のリスクの双方を踏まえて接種するかどうか判断してほしい」と呼びかけている。(横川千夏)

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