新型コロナウイルスに感染した50代の男性が自宅療養中に死亡したのは、保健所が救急車を呼ぶなど適切な対応を怠ったからだとして、遺族が東京・板橋区に対して5700万円あまりを求める訴えを近く起こすことを明らかにしました。

東京・板橋区の北端明さん(当時57)はおととし8月、新型コロナウイルスに感染し、保健所の指示で自宅で療養していたところ、パルスオキシメーターで計測した血中酸素飽和濃度が70%になるなどし、保健所に対応を求めました。

しかし、遺族によりますと、保健所は機器の故障の可能性を指摘し、往診を受けるよう指示を出すにとどまったということです。

遺族側は、本来必要だった救急車の手配などの適切な対応を怠った結果、北端さんが死亡したとして、板橋区に5700万円あまりの損害賠償を求める訴えを近く東京地裁に起こすということです。

記者会見した北端さんの妹は、「兄が亡くなった経緯がどうしても納得いかない。ただ真実を知りたい。板橋区に説明してほしい」と話しています。

板橋区は「個人情報に関わる可能性があり、コメントできない」としています。

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