<Q&A>最低賃金の引き上げ、なぜ必要? 審議の焦点は?

 2023年度の最低賃金(最賃)の引き上げについて、厚生労働省の中央最低賃金審議会の議論が30日、スタートしました。現在の全国平均時給は961円となっていますが、岸田政権は1000円に引き上げたい考えで、審議会では物価高騰などの経済状況を加味して上げ幅が調整される見通しです。重要性が増す最賃の現状や背景をまとめました。(畑間香織)
 Q 最賃とは何ですか。
 A パートやアルバイトら全ての労働者に払われる賃金の最低額です。最低賃金法に基づいて時給で示され、最賃以上の賃金を払わない企業には罰金が科されます。毎年労使の代表者と有識者でつくる中央審議会が引き上げの目安額を示します。その額を基に都道府県の審議会が議論して各地の最賃額が決まり、10月ごろに改定されます。
 現在最も高いのは東京都の1072円。最も低いのは青森や沖縄など10県の853円で、地域間に差があります。全体的に日本は欧州などに比べ低く、改善が課題とされています。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/260157