日経平均3万3000円割れ 「ソシオショック」に個人動揺
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB0610M0W3A700C2000000/
6日の東京株式市場で日経平均株価が3万3000円を割った。下げのきっかけになったのが半導体設計のソシオネクストだ。
富士通やパナソニックホールディングスなど大株主が一斉に売り出しを決めたショックで6日は売り気配で始まり、制限値幅の下限(ストップ安水準)となる前日比5000円(22.8%)安の1万6950円で配分された。
ソシオネクストは春先からの日本株高をけん引したスター銘柄の1つだっただけに、突然の需給悪化に個人投資家が動揺している。
日経平均は3日続落し、前日比565円安の3万2772円で引けた。
ソシオネクストは2022年10月に上場し、5日終値時点で初値の6倍近い株価で推移していた。
特に5月以降の半導体株の高騰に乗った代表銘柄の1つだ。5日の取引終了後、大株主である富士通、パナソニック、日本政策投資銀行の3社が保有する株を全て売却すると発表した。
売り出し人3社は、上場日から180日の売却禁止期間(ロックアップ期間)が過ぎたことで売却に動くとみられる。売却する株数は発行済み株式数の37.5%に達する。
野村ホールディングス傘下の英ロンドン現地法人を通じて海外の投資家に売却する手法をとる。すみやかに機関投資家の需要を探り、11〜13日のいずれかの日に売り出し価格を決める。
価格決定日までの株価下落を見込んだ短期投資家の空売りが膨らむとみられ、売りが売りを呼ぶ展開になりやすい。
ソシオネクストは信用倍率が6月30日申込時点で240倍超となっている。
信用買いの比率は東証プライム市場で上位50社に入る高さだ。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「松井証券店内でも限界まで信用買いしていた人も多く見られ、追い証(追加担保の差し入れ義務)が発生するのを避けるため、売らざるをえない人がかなりいる」と話す。