米政府、ウクライナにクラスター爆弾を供与へ-民間人に脅威でも

米政府は7日、ウクライナの反転攻勢を支援し減少しつつある弾薬在庫を補充する新たな措置としてクラスター爆弾を供与すると発表した。クラスター爆弾は不発弾が出ることが多く、民間人に重大な危険をもたらすとの懸念がある。

  バイデン大統領はクラスター爆弾使用に伴うリスクを踏まえると「難しい決断」だったとする一方、ロシアは何カ月にもわたってウクライナに対し大量のクラスター爆弾を使用してきたと述べた。
米政府高官によれば、ウクライナ軍は生産を上回るペースで弾薬を使用しており、米国は年内の増産前に供給が尽きないようにする必要がある。

  バイデン大統領はCNNに対し、ウクライナは総じてクラスター爆弾による「残忍な攻撃を受け続けている」とした上で、今回の措置について「私は確信するのにしばらく時間を要した」と語った。

  ウクライナは、このクラスター爆弾はロシア側の塹壕(ざんごう)を標的にする上で役立つと主張している。反転攻勢の開始から約1カ月たったが、これまでのところ大きな成果は上がっていない。
米政府高官によれば、ウクライナは戦後に不発弾を除去する方針を表明しており、民間人がいる地域で使用することはない。

  この計画は北大西洋条約機構(NATO)加盟国との間に緊張をもたらす可能性がある。クラスター爆弾の使用や移譲を禁止する2010年のクラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)にはNATO加盟国を含む約100カ国が署名している。
来週リトアニア・ビリニュスで開催されるNATO首脳会議で、この問題が取り上げられる可能性が高い。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-08/RXG8JNT0G1KW01