三重県鳥羽市の離島、菅島で8日、大漁と海上安全を願う海女の伝統行事「しろんご祭り」があった。新型コロナウイルス禍で一般公開は4年ぶり。

 海女は、祭りの日だけ漁が許される「しろんご浜」で「まねきアワビ」と呼ばれる雌雄一対のアワビ取りを競い合う。40~60代の海女13人がホラ貝を合図に一斉に海へ潜った。

 20分ほどすると、海女歴40年以上の松村富江さん(53)がまねきアワビを取った。松村さんは今年の「海女頭(がしら)」となり、「母も海女頭をしていたので、いつか自分もなりたいと思っていた」と笑顔を見せた。

 海女たちはそのまま潜り続け、菅島出身の派遣社員、中村紗弥さん(22)が、白鬚(しろひげ)神社にまねきアワビを奉納した。

 鳥羽磯部漁協菅島支所によると、2021と22年は、島内のアワビの水揚げは一日に約70~80キロだったが、今年は半分以下にとどまる。松村さんは「(資源を)絶やさないよう海を守り、保護していきたい」と話していた。

https://mainichi.jp/articles/20230708/k00/00m/040/220000c
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