日本マクドナルド(東京都)が社員に適用している変形労働時間制を巡り、同社が就業規則に定める勤務シフト数を、従来の4種類から約200種類に増やしていたことが毎日新聞の取材で明らかになった。

 同制度を巡っては、同社の元社員が、達成困難な目標を課されて退職を強要されたとして同社に解雇無効などを求めて名古屋地裁に2019年10月に提訴。22年10月の地裁判決は「就業規則に定めていない店舗独自の勤務シフトは労働基準法の要件を満たしていない」と制度を無効と判断し、未払い賃金などの支払いを命じた。23年6月の名古屋高裁判決も1審判決を支持し、今月11日に確定した。

 変形労働時間制は労働時間を1日単位ではなく、月や年単位で計算する制度。同社は各店舗で1カ月単位での同制度を導入し、就業規則で規定していた。

 同社によると、同社は係争中の22年4月、可能性のあるシフトを全て就業規則に記載した。同制度を採用するのは全国約900店舗で、影響を受ける店舗社員は約2000人に上るという。同社は「過去にさかのぼって全員の未払い分を再計算をすることは考えていない」としている。

 勤務シフトの記載を増やしたことについて、同社は「いろいろな要因で記載を増やしており、訴訟だけの要因ではない」としている。

https://mainichi.jp/articles/20230712/k00/00m/020/282000c