コラム:総選挙が素通りする日本経済「真の争点」=河野龍太郎氏 | ロイター(2017/10/10)
https://jp.reuters.com/article/column-ryutaro-kono-idJPKBN1CF0M4

<第三次ベビーブームが訪れなかった理由>

1990年代後半以降、割を食ったのは若年層だが、とりわけ就職氷河期と呼ばれる時代に就職が重なった団塊ジュニアは、教育訓練の機会や生活保障が得られない非正規雇用を選択せざるを得なかった人も少なくなかった。
問題は、就職への影響が、その後の結婚や出産にも及んだことだ。
晩婚化や非婚化の流れは一段と強まり、それが完結出生児数の低下にもつながった。
完結出生児数は夫婦の最終的な子供数を示すが、2010年以降、ついに2を割り込んでいる。
所得低迷が晩婚化をもたらすと、第一子の出産が後ずれするため、経験を積むことで所得が増えても、今度は年齢的な理由から望んだ数の子供を持つことが難しくなる。
これらが団塊ジュニアに期待されていた第三次ベビーブームの到来を完全に抑え込んだ。