メスとされていたアメリカビーバー、実はオスだった! まさかの事実が話題、動物園が明かす発覚のきっかけ(J-CASTニュース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5e93346f95c9395b91ce27daf8bf03f4e412ab2b

甲府市遊亀公園附属動物園(山梨県甲府市)が2023年7月12日、今までメスとされていたアメリカビーバーの「おはぎ」の性別が実はオスだったことを発表し、ツイッター上で話題となった。J-CASTニュースは14日、おはぎがオスだと発覚した経緯の詳細を同園に取材した。

【画像】おはぎの陰茎骨のレントゲン写真

■おはぎ引っ越しとともにオスだったことを報告

甲府市遊亀公園附属動物園は公式ツイッターで、

「アメリカビーバーのおはぎが7/18(火)に市原ぞうの国へ引っ越し、新たなペアを作ることになりました併せて、おはぎの性別がメスではなくオスであったことをご報告します。これまで成長を見守っていただき、ありがとうございました」

と投稿。おはぎが市原ぞうの国へ引っ越す報告とともに、性別を訂正した。レントゲン写真も投稿し、

「ちなみにこちらがおはぎの陰茎骨です。ビーバーは外観では性別判断できず、オスには陰茎骨という骨があるため、レントゲン等で検査します。今後はさらに慎重に検査をしてまいります。お騒がせしてしまい、申し訳ありません」

とコメントした。リプライや引用リツイートには驚きの声が寄せられている。

取材に応じた同園によると、おはぎはオスの「ナツ」とメスの「あずき」の子どもで、22年5月20日に誕生。「あんこ」「あんみつ」「だいふく」とともに誕生し、同10月に検査した際は4匹ともメスとされていたという。

オスだと発覚した経緯は

なぜおはぎはもともとメスとされていたのか? 同園は取材に対し「最初のレントゲン検査では、おはぎの陰茎骨がほかの骨と重なってしまったのだと思われます」と回答。陰茎骨の有無で判定するため、オスの確定はしやすいがメスは確定が難しく、同園では過去にも一度、メスとされていたビーバーが後にオスだとわかったことがあったという。

また検査方法について「雌雄判別の方法は、レントゲン、触診、エコーの3つがあります。触診は診察した者にしかわからず客観性がないこと、動物が嫌がるケースも多いことから見送り、エコーは当園には設備がないため、レントゲンでの検査をしました」とした。

オスだと発覚したきっかけは、父親ナツの行動にあったという。同園によると、2022年10月にリニューアル工事による休園に入った同園は、アメリカビーバーの繁殖を制限するため、繁殖期である冬の間ナツを隔離していたという。同園は「繁殖期が終わり、ナツを戻したところ、おはぎが怖がるような様子を見せたので、プールの水を抜くなどしてみました。でも翌日、ナツがおはぎを追い回すような行動を見せたんです。ビーバーは縄張り意識が強いため、『自分のテリトリーにほかのオスがいる!』と警戒したのではないでしょうか」とした。

ナツはペアであるあずきに対しては、最初は警戒している様子だったものの、数時間で仲良く毛づくろいをするようになったという。その後、おはぎ以外の3匹とも一緒に寝るようになったとのことだった。

そこで再度レントゲン検査をしたところ、オスであることが発覚したという。これを受け、もともと「オスのアメリカビーバーがいたら受け入れたい」と話のあった市原ぞうの国へ引っ越すことが決まったとした。

「びびり」なおはぎの性別に職員からは納得の声

同園によると、おはぎはきょうだい4匹の中で最も「びびり」な性格で知られていたという。公開で行われていた体重測定の際も、ほかの3匹は食べ物を与えると食べることに夢中になり、その間に測定を終わらせられるのに対し、おはぎは食べ物に釣られることがなかった。特にビーバーは比較的オスの方が神経質な様子を見せることが多いといい、同園は「今回オスだとわかって、職員の中では『なるほど』『納得した』という声も多かったです」とした。

また、同園は「検査に使ったレントゲンは、クラウドファンディングで寄付されたものです。このような機会に使い、おはぎの性別をはっきりさせることができてよかったです。今後性別の公表については慎重に行いたいと思います」とした。