36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件は18日で発生から4年。現場となった京都市伏見区の第1スタジオ跡地の周辺にはファンや関係者らが足を運び、犠牲者に祈りをささげた。

「今春から京都に来たのでこれも何かの縁だと思って」。同市上京区の大学院生、清田耕史さん(28)は10年以上の京アニファン。中学時代、教師と進路で対立したことを機に不登校になったが、「涼宮ハルヒの憂鬱」を見て救われた過去がある。キャラクターの自由な個性に衝撃を受けたといい、「自分らしく生きてていいんだ」と思った。立ち直るきっかけを与えてくれた京アニに「感謝の思いを伝えたい」と話した。

月命日に欠かさず読経を続けている興禅寺(伏見区)の住職、藤沢めぐみさん(55)。この日は36羽の折り鶴を携え、京阪六地蔵駅近くの路上で読経した。

以前、現場に来る気持ちになれないという、ある遺族から連絡を受けたことがある。藤沢さんは「読経をすることで亡くなった人が帰ってくるわけではないが、そういうご家族の代わりを務めるためにもお参りしている」と力を込めた。(荻野好古)