パナソニックホールディングス傘下の空質空調社(東京都)は19日、マレーシアや中国で作っていた国内市場向けのビル用マルチエアコン(VRF)を2024年3月末をめどに、群馬県大泉町坂田にある大泉拠点に移管すると発表した。
急速な円安も背景に、開発と生産の「国内回帰」で納品までの時間を短縮し、需要の変化に迅速に対応する狙いがある。

 海外の人件費高騰や原油高による輸送費増も一因で、19日に大泉拠点で発表した同社設備ソリューションズ事業部の池田博郎部長は「業務用空調の地産地消の取り組みの第1弾。第2弾も検討する」と述べた。移管に伴い約20億円を投資し、人員は約2割増やす。

 VRFはビルや商業施設に使う6~54馬力の大型の業務用エアコンで、10馬力以下のオフィス・店舗用、電気でなくガスを使うガスヒートポンプエアコンとともにマレーシアや中国で生産してきた。
マレーシアから22年末までに、中国・大連から24年3月末までに大泉に生産を移管。大泉での生産比率は室外機が現状の1割から10割、室内機が同3割から9割になる。【田所柳子】
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