https://news.nifty.com/article/domestic/society/12198-2459084/
山形県南部にある置賜地方。日本三大急流の一つ、最上川を有し、周囲を山々に囲まれた自然の恵みが豊かな場所だ。ここは日本有数のブランド牛「米沢牛」が育まれる場所としても有名なのだが、3年前からある取り組みが注目を集めている。

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牛の虫よけ対策

の検証です。現在、繁殖雌牛の簡易放牧の拡大を推進したいと考えているのですが、吸血昆虫による牛のストレスが課題となっています。これをクリアするため、ある研究機関の実施例を基に3年前から検証を行っています」
毎年夏になると多くの牛飼いの間で頭を悩ませるのが吸血昆虫「
アブ
」と「
サシバエ
」だという。アブやサシバエの吸血行動は牛にとって大きなストレスとなり、また吸血昆虫を忌避する行動によって体力が消耗し、乳量の低下や繁殖に悪影響を及ぼすのだという。
そこで期待されているのが「

牛のシマウマ化=シマウシ

」なのだ。
2019年、愛知県と京都大学の研究チームが「シマウマには虫があまり寄りつかない」という海外の論文をヒントに牛でも応用できないか検証を開始。すると吸血昆虫の飛来が減少し、牛が虫を追い払うときにする「しっぽ振り」や「首振り」などの回数も減ったという。

この研究結果を受け、自治体も「牛のシマウマ化=シマウシ」に動いた。すると、

シマウマ化に効果
が見られたのだ。
検証1年目の2021年、シマ模様の牛と、塗装していない牛を並べて、牛が吸血昆虫を避ける際の行動を観察したところ、シマウシは塗装していない牛と比べて忌避行動が平均で
約5割減少

しました。さらにアブ捕獲器を併用すると
約7割も減少

をシマシマに…。そんな自治体の呼びかけに、初めは畜産業者は戸惑った。しかし、実際に参加してみて、驚きは感嘆に変わったという。

遠藤畜産 遠藤寛寿さん
「最初聞いたときは『え、ウソだろ』って思いましたよ。
笑っちゃいそうになった

けど、ゴムマットを細長く切ったものを牛にあてて、均等になるよういに白いスプレーでシマ模様にしたよ。そしたらさ、嘘みたいに
全く虫が来ない

のよ。本当だったんだと驚いたね」
半信半疑で始まった検証だが、今ではすっかり虫よけ対策として認知され、当たり前のようにシマウシ化が進められている。そして今年は場所を牛舎から放牧場に移し、7月20日から検証が始まった。さらに、シマウシは想像を超える美しい輝きを放つ姿にアップグレードされていた!

「早く放牧してよ」 金色に進化するシマウシは“レンタカウ”でも大人気