ペットか食肉かはモラルの問題 - SWI swissinfo.ch
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スイスでは法律上、犬や猫の肉を食べてもよいことになっている。ペット好きの人にはショックな事実だが、犬・猫を食用に殺すことを禁じたり、ガイドラインを設けたりすることについて、スイス国内で本格的に議論されることはあまりない。

この問題は長年くすぶっており、メディアで大きく取りざたされることも度々ある。最近ではチューリヒ州の日刊紙ターゲス・アンツァイガー(Tages Anzeiger)が、犬・猫の肉を時折食べているという人たちの証言を匿名で掲載した。

「特別なことはない。肉は肉だ」と、ザンクト・ガレン州東部出身の農家。その隣のアッペンツェル出身の農家は、銃や鈍器を使った犬の殺し方を説明。同僚にさばいてもらった肉をアッペンツェル地方特産の薫製(くんせい)「モシュトブレックリ(Mostbröckli)」にした話も披露した。「人に食べさせても、それが犬の肉だと気付く人はいない」

一方、同紙のインタビューに答えた他の人からは、時代は変わったので犬を食べるのはもはやタブーとの意見も聞かれた。

犬や猫を食べるスイス人の数を統計的に把握するのは困難だ。だが、このテーマが会話にのぼると、誰かしらはそれにまつわる話ができる。例えば、暖炉で犬肉の薫製を作った農家の話。小さな町の情報紙に猫肉のシチューのレシピが載っていた話。飼い犬が死んだ際、それを家族みんなで食べた話など、さまざまだ。

(中略

ターナーさんは、犬や猫を食べることはモラルに関係する問題とみる。「コンパニオンアニマル(伴侶としての動物)として犬や猫を飼う人が多い地域で犬や猫を食べることは道徳的に間違っていると思う。だからといって、韓国や中国などほかの文化を持つ人たちを批判する権利は我々にはないだろう。他の文化圏では、動物に対して我々とは違った基準や考え方があるのだろうから」

(後略