木原官房副長官の“文春砲”スキャンダル ドラマのような事件をウヤムヤにしたら日本はおしまい
ラサール石井 東憤西笑

 文春を読んでいない人は詳細をよく知らないだろうが、これがかなり複雑で、まるで小説かドラマのような話なのだ。

 最初は木原氏に愛人M子さんと隠し子がいて、その愛人宅から出勤したりディズニーランドに行ったり、というただのゴシップ記事かと思われた。

 この段階で現夫人X子さんは被害者だったが、次なる文春砲はX子さんの前夫・安田さんの死が自殺ではなく殺人で、彼女が関わっているのではないかというショッキングなものだった。

 2006年に起きたこの事件。安田さんの実父が家に行くと血まみれで横たわる息子を発見した。

 実は妻のX子さんはYという知人と不倫し、家を飛び出していたが、前日に安田さんが家に連れ戻し、離婚の話し合いをしていた。

 妻は隣の部屋にいて「寝ていて気付かなかった」と証言した。

 ナイフで喉の辺りを刺されたのが死因だ。解剖で覚醒剤の反応があり、錯乱して自殺と決着した。しかしナイフがきれいに足元に落ちていたのが不思議だった。

 その後X子さんはナンバーワンホステスとなり木原氏と出会う。

 しかし18年、未解決事件、コールドケースを担当する女性刑事がこの事件を掘り起こした。「なぜこれを自殺としたのか驚いた」と彼女は言う。X子さんの父親が現役警察官だったからか。

 刑事は宮崎の刑務所に別件で服役中のYを執拗に聴取し、ついに事件当日X子さんから電話で「旦那を殺しちゃった」と聞かされ、現場に行ったことを告白させた。

 しかしその時X子さんの夫は政府で飛ぶ鳥を落とす勢いの木原氏であった。なぜか刑事は担当を外され、捜査班は縮小されてしまった。

 木原氏は当時警察にこう言い放ったという。

「06年当時に捜査してくれていたら、結婚もしなかったし、子供もいませんでしたよ。どうして、そのときにやってくれなかったんですか!」

 なんとちゃらんぽらんな。そもそも木原氏は前述のM子さんとも同時に付き合っていて、2人とも妊娠したが、X子さんのほうが半年早かったためそちらと結婚した。M子さんを愛人にした。

 女性を人間とも思わぬ聞きしに勝る遊び人だ。

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