北海道むかわ町の穂別博物館は町内などで発掘されたアンモナイトが新属の「モシリテス」だったと明らかにした。見つかったのは「モシリテス・ミラビリス」「モシリテス・サーペンティフォーミス」の二つで2新種が見つかった。

 むかわ町のほか夕張市、稚内市、幌加内町などにある白亜紀(1億50万年前)の地層の蝦夷層群から発見されていた標本を国立科学博物館の重田康成グループ長を中心とする研究グループが2年ほど前から本格的に調査。今年6月に新属新種とする論文を発表した。

 モシリテスは、30センチほどの大型で成長初期の中心部分はらせん状で、成長後期に巻き方が緩くなり、すき間が空いた状態となることが、これまでに発見されたアンモナイトと異なる特徴だという。アイヌ語で静かな大地や北海道を意味する「モシリ」が学名に用いられた。

 論文の執筆に加わった博物館の西村智弘学芸員は24日の記者会見で「モシリテスは北太平洋地域の固有の種類で当時の海洋の環境を考える上で重要。大型で標本としてもインパクトがある」と話した。

https://mainichi.jp/articles/20230729/k00/00m/040/016000c
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