西アフリカのニジェールでクーデターを起こした大統領警護隊トップのチアニ将軍が28日、国家元首に就任したと宣言した。
憲法停止と政府の解体も発表した。
隣国マリやブルキナファソのように軍が政変で実権を握りロシアに接近するとの見方があり、米欧が警戒を強めている。

チアニ氏は同日のテレビ演説で、バズム政権がイスラム過激派への対テロ作戦でマリやブルキナファソとの協力が不足していたと批判した。
ニジェールはバズム政権下で米欧と良好な関係を築いてきた。

現地からの報道によると、クーデター支持者はロシア国旗を掲げてデモに加わった。
30日には首都ニアメーでデモ隊がフランス大使館前に押し寄せ「ロシア万歳」「プーチン万歳」などと叫んだ。

西アフリカのマリとブルキナファソでは2020年以降に相次いだクーデターで発足した軍事政権がロシア寄りの姿勢を強めた。
マリではロシアの民間軍事会社ワグネルが活動している。
ブルキナファソの軍政トップは5月、ロシアが「戦略的同盟国」だと述べた。

ニジェールのクーデターについては27日、ワグネルの創設者プリゴジン氏とみられる人物が「独立の獲得」だと評価する音声メッセージが通信アプリに投稿された。
米政府は今回の政変について、ロシアやワグネルの関与を示すものはないとの認識を示している。

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