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札幌市のホテルで頭部が持ち去られた男性(62)の遺体が見つかった事件は、無職の田村瑠奈容疑者(29)ら親子の逮捕から31日で1週間となった。瑠奈容疑者と男性の間に何らかのトラブルがあり、医師の父ら一家で入念に計画を立てた疑いがあるが、明確な動機は分かっていない。

札幌・中央署捜査本部は24日、瑠奈容疑者と精神科医で父の修容疑者(59)を、翌25日には母の浩子容疑者(60)も逮捕した。3人の逮捕容疑は共謀し、1日深夜~2日未明、ホテル客室で刃物のようなもので男性の首を切断し、頭部を運び出した疑い。

被害に遭ったのは北海道恵庭市の会社員、浦仁志さん。死因は刺し傷による出血性ショックで、捜査本部は殺人容疑でも調べる方針だ。

捜査本部は、客室には瑠奈容疑者だけが立ち入り、修容疑者は送迎を担当したとみる。両容疑者は事件で使用した可能性があるナイフやのこぎり、スーツケースを購入しており、計画段階から遺体を切断し持ち去ることを想定していた疑いがある。

親子宅の浴室からは男性の頭部が見つかり、浩子容疑者は頭部が持ち込まれたことを認識していたとみられる。

瑠奈容疑者と男性は5~6月ごろ、ススキノの飲食店で会っていたことが分かっている。浩子容疑者は「娘と男性の間でトラブルがあった」と供述し、男性から暴力を受けたとの趣旨も主張。捜査本部は真偽を含めて経緯を慎重に調べている。