一連の広域強盗のうち、千葉県大網白里市のリサイクル店で店長=当時(76)=がけがをした1月の事件。運転手役だったとして強盗致傷などの罪に問われた元自衛官、中桐海知(なかぎりかいち)被告(24)に、千葉地裁は懲役3年(求刑懲役5年)の判決を言い渡した。黒の短髪にジャケットとシャツを着て現れた中桐被告は、守下実裁判長の顔を見ながら判決に耳を傾けていた。

判決などによると、中桐被告はこの事件で、実行役だった作田竜二被告(25)と永田陸人被告(21)を迎えに行くなど運転手役を務めたほか、経費を受け取って実行役の2人に送金したり、粘着テープやゴム手袋、レンタカー2台を用意したりしていた。

弁護側は、匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」で「ミツハシ」と名乗る人物からの指示を受けたもので、従属的な立場だと主張していたが、守下裁判長は「仕事が『強盗』であると認識した後も、『次の指示お願いします』などと指示を仰いだり、『がんばります!』と返信したりするなど、強い積極性が認められる」と指摘。

このほか、中桐被告が犯行直前に、実行役に対して「やめましょう」と言ったとする供述も、前後の積極的な態度や永田被告の証言に合わないとして退けた。

一方で守下裁判長は、被害者との示談が成立していることや、犯行に当たって予定時刻に遅れるなど役割を全うできていなかったことなどは有利に考慮したとした。

守下裁判長は「反省していると思うので、今後このようなことはないように」と説諭。これに中桐被告はうなずいていた。

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