AIやアウトソーシングの影響でホワイトカラー労働市場が激変

https://news.yahoo.co.jp/articles/445b8618df23a5756aaa781afeba3bf2940c26a4

大卒のホワイトカラーがいま、苦難に見舞われている。ブルーカラー労働者よりも職探しに苦労し、大きな雇用不安を抱えているのだ。

(求職者が有利だった)大離職時代とは違って、面接を長期にわたって何度も受けねばならず、フィードバックももらえず、新たな雇用機会をなかなか確保することができずにいると、WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)紙が報じている。

履歴書作成サービス「Professional Resume Writers」が2023年4月、労働者2000人を対象に実施した労働市場調査では「失業するのではないかという不安がある」と回答した人が半数近くに上った。

企業内のポジション別では「不安だ」と回答した割合が最も多かったのは経営幹部で、66%だった。

■不安の原因

企業のレイオフ関連データを提供している「Layoffs.fyi」によれば、テック業界だけをとっても、2023年に入ってから約19万8000人がレイオフされた。

米国では、プロフェッショナルの雇用機会が減少傾向にあり、米労働省労働統計局が公表したデータでは、2022年末以降、求人数が50万件近く減っていること明らかになっている。

低賃金の求人はいまだに十分に存在しているが(特に、レジャーおよびホスピタリティ業界)、インターネットを使った在宅勤務が可能な「ラップトップ・クラス」と呼ばれるナレッジワーカーの採用は鈍っている。

ホワイトカラー労働者が不安に思う情報はそればかりではない。Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)は2023年3月、人工知能(AI)の台頭に関して憂慮すべき内容の調査報告書を発表した。

急成長するAIの影響で、3億もの仕事が消滅または減少する可能性があるというのだ。

AIによる自動化で影響を受けるのは、事務の補助業務や法律、建築、エンジニアリング、事業運営および経理業務、マネジメント、営業、ヘルスケア、アートやデザイン分野などだ。

2023年に入ってからは、IBMとオンライン学習企業Chegg(チェグ)が、人員削減や採用の一時中止を発表している。

業務の多くがAIで対応可能だと、経営サイドが判断したためだ。