日本大学アメリカンフットボール部の部員が覚醒剤などを所持したとして逮捕された事件で、日大側の記者会見での説明が、警視庁が把握する事実と異なることが9日、捜査関係者への取材で分かった。同庁は今後、日大側に詳しい状況を確認するという。

記者会見は8日に行われ、日大幹部が「アメフト部員が寮で大麻を吸っている」という趣旨の情報提供を受けた際の警視庁とのやりとりなどを説明した。

酒井健夫学長によると、部員の1人が昨年11月、大学側に「大麻と思われるものを7月くらいに吸った」と申告した。学長は「警察関係者に相談したが、物的証拠がないことなどから事実の立証は難しいと回答があった」と語った。


警視庁幹部は時事通信の取材に対し、相談を受けたのは薬物捜査に携わらない日大OBの同庁警察官で、「本人はそんな助言をしていないと言っている」と強調。日大側の説明を真っ向から否定した。


また、沢田康広副学長は会見で、7月に警視庁からアメフト部員に大麻疑惑があると指摘されて調査に乗り出す際、「犯罪事実が認められたら、自首させてほしい」と言われたと話した。


同庁幹部は、犯罪事実があれば当然、警察が捜査をするとした上で、「(自首させてほしいと)言うわけがない」と語った。(2023/08/09-04:13)

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