土鍋の国内シェアの8割を占めるとされる、三重県四日市市の伝統産業「萬古焼(ばんこやき)」。「ペタライト」と呼ばれる主要原料が不足し、生産がピンチを迎えている。昨春、調達先の鉱山を中国企業が買収したことで入手が困難になった。ペタライトにはリチウムが含まれ、電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池の原料として需要が高まっていることが背景にある。業界は代替原料での生産を模索するなど対策に乗り出している。

 地元の製造業者でつくる萬古陶磁器工業協同組合によると、一般的に土鍋は約40~50%のペタライトを含んだ陶土で作られる。熱膨張を抑え、ガスなどの高火力で加熱しても割れにくくする効果を持つ。一方で産...

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