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「ねーちゃん、酌しに来い」渋川市職員の1割、市議からハラスメント

群馬県渋川市が、市議会議員によるハラスメント(嫌がらせ)と受け取れる言動について、市職員にアンケートしたところ、回答した職員576人の9・7%にあたる56人が「市議からハラスメントを受けたことがある」と回答したことがわかった。市が8日、調査結果を公表した。

 調査は庁内ネットワークを使い、回答者が特定されない方法で7月に実施。対象は市職員733人で、回答率は78・6%だった。

 ハラスメントの内容を複数回答で尋ねたところ、パワーハラスメント(パワハラ)が51人と最多。具体的には「俺を誰だと思っているんだ」「ばかか、おめーは」と大きな声を出すなどの「威圧的な発言」や、「理不尽な要求」といった行為などだった。

 また、「体を密着される・抱きつかれる」などセクハラを訴える女性職員も5人いた。たまたま居合わせた酒席の場で市議から「市の職員だろ? ねーちゃん、酌をしに来いよ」と強要されたなどの声もあった。

■43%がカスハラ経験

 アンケートは当初、市議によるハラスメントが対象だったが、市議会から「議員に限定せず、広く調査するよう」要請があり、「市長など特別職を含む職員間」「市民」を加えた。

 上司など職員間のパワハラやセクハラについては、回答した職員の28・6%の165人が「ある」と答えた。厚生労働省が2021年に公表した民間企業を対象にした調査で、31・4%がパワハラを受けたと答えた結果などと比べ、市は「低い値となっている」とした。

 市民からの迷惑行為や悪質クレームなど「カスタマーハラスメント(カスハラ)」では、「ハラスメントを受けたことがある」と答えた職員は43・2%にあたる249人にのぼった。

 調査結果に対し、高木勉市長は「職員が本来の業務に集中できる環境をつくっていきたい」と話した。