ハワイ山火事死者96人、突風で延焼…1000人と連絡取れず

8/14(月) 18:37配信

【ワイルク(米ハワイ州マウイ島)=後藤香代、ニューヨーク=金子靖志】米ハワイ州マウイ島で発生した山火事で、
地元当局は13日までに計96人の死亡を確認したと発表した。米国の山火事の死者数としては、
2018年にカリフォルニア州で起きた火災の85人を上回り、過去100年間で最多となった。

 ジョシュ・グリーン州知事は13日、ビデオ声明で「更に多くの死者が発表されるだろう」と述べた。
被害が甚大な島西部のラハイナでは2700以上の建物が全半壊し、56億ドル(約8000億円)の損害が生じたと推計されるという。

壊滅状態となった米ハワイ州マウイ島のラハイナの街(ハワイ州提供)

グリーン氏は「時速81マイル(秒速約36メートル)の突風が吹き、急速に燃え広がった」と説明した。
山火事が発生した8日は、ハリケーンがハワイ諸島の南を通過していた。太平洋災害センター(PDC)などの分析によると、
ラハイナでは約8・8平方キロ・メートルで火災が発生したと推定される。地元当局によるとラハイナでは85%が鎮火したが、
約1000人と連絡が取れておらず、捜索活動が続けられている。

島内に80ある警報サイレンが作動しなかったことも被害拡大の一因とされる。
グリーン氏は13日の声明で「火災発生から数時間で起きたことを包括的に検証する」と表明した。

島内の避難所では1000人以上が不安な日々を過ごしている。
ラハイナから夫や幼い子供たちと避難してきたクリスタル・マヌエルさん(34)は「子供たちは『家に帰りたい』とねだるが、きっと家はないだろう」とあきらめ顔だった。チャイナ・コロラドさん(43)は「西マウイはまるで戦場だ」と述べ、当局の対応を問題視した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b6260875ef11fe0543060c69302ab24750daf7fe