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教育委員会は大ウソつき。いじめた人を守ってウソばかりつかせる」
2019年9月、埼玉県立高校の1年生だった小松田辰乃輔くん(当時15歳)が遺書を残して川口市のマンションから飛び降りた。小学6年生から始まったいじめに加え、学校の対応による「二次被害」が自殺を引き起こした。


辰乃輔くんは小学6年生の時に所属していた地元の野球チームや、中学1年生で所属していたサッカー部などで仲間外れにされる、物を壊されるなどのいじめを受け、少なくとも4回自殺未遂を繰り返した。
 
軽度の知的障害があった辰乃輔くんは、いじめの被害を主にノートに記して教師などに繰り返し訴えた。
「学校に行くのがこわい。このきもちは、だれにも分からない。ぼくの生きている意味はあるのかな?」
「くるしいくるしいくるしいくるしいくるしいくるしい」
ノートには、学校には行きたいがいじめられるのが怖い、という辰乃輔くんの複雑な思いが書かれていた。しかし、ノートを受け取った教師らはノートそのものの信ぴょう性を疑い、十分な対応をすることはなかったという。

「学校の先生たちは障害という部分を疑って、『辰乃輔がそんなものを書けるわけないだろう』とか、『親が書いたんだろう』と言いました。本人の苦しさを学校側は受け止めてくれなかった。そのことがすごく遺憾でしかないです」
辰乃輔くんの母親は当時の学校側の対応をこのように話す。
辰乃輔くんが残したノートは10冊以上にも上った。しかし、このメッセージを学校側が真剣に受け止めることはなかった。

報告書で「二次被害」として認定されたものの一つが、学校が設定した「謝罪会」だった。
中学3年の6月、加害者側の父親と祖母、辰乃輔くんと母親が学校に集まった。本来であれば、そこでは加害者側が謝るはずだった。
辰之輔くんはこの前の年の始業式の日、飛び降り自殺を図り、一時意識不明の状態になった。この4回目の自殺未遂以降、辰乃輔くんは車いすでの生活が続き、また、精神的にも追い詰められた状態が続いていた。しかし学校の『謝罪会』では逆に、加害者側がその自殺未遂を糾弾する場となってしまった。
その時の音声が残されていた。

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加害者祖母:「何を希望してるのよ」
辰乃輔くん:「謝ってほしくて」
加害者祖母:「ふざけるんじゃないよ。あんた」
加害者父親:「はっきり言おうか。その足になったのは君が飛び降りたからだ」
加害者祖母:「それを人のせいにするんじゃないよ」
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辰乃輔くんは約1時間にわたり、加害者側に責められた。母親によれば、そこには担任、教頭、別の教師の3人がいたが、誰一人として制止しようとしなかったという。
耐えられなくなった辰乃輔くんは大声を上げた。そして、先生に連れられ、教室を後にした。

謝罪会以降、辰乃輔くんはその時の光景がフラッシュバックするようになり、夜も眠れなくなった。夜中に突然、家を飛び出そうとすることも多く、母親は辰乃輔くんと自分の足をひもで結んで寝た。

「また、いやな夢を見た。人のせいにするなと言われた夢を何度も何度もたくさん同じ夢を見る」
「くるしいくるしいくるしい」
辰乃輔くんは最後まで、謝罪会で味わった苦痛をノートで訴えそして、飛び降りた。
当事者の仲裁のために学校で設定された「謝罪会」が逆に辰乃輔くんを死に追いやる結果となった