セックスレスや少子化が叫ばれて久しい日本だが、国民の性的活動の実態についてはあまり報告がないという。慶應義塾大学医療政策・管理学教室のCyrus Ghaznavi氏、東京大学大学院国際保健政策学分野の坂元晴香氏らは、オンライン調査を実施、結果をJ Sex Res(2023; 26: 1-12)に報告した。20歳代の"童貞率"は約4割、"処女率"は約3割であることが示された。

20~49歳の男女8,000人の性的活動を調査
 性および生殖に関する健康の向上は公衆衛生上の優先事項とされる中、諸外国に比べ日本では性的活動に関する報告は少ないという。そこでGhaznavi氏らは、オンラインによる「日本人の性的行動に関する全国調査」を実施。日本人の性的指向、性的活動の実態および満足度などを調査した。

 対象は20~49歳の日本語での対応が可能な男女で、オンライン調査会社を通じて2022年7月5~6日に行われ、8,000人(男女各4,000人)が参加した。5歳ごとに層別化し(20~24歳、25~29歳、30~34歳、35~39歳、40~44歳、45~49歳)、婚姻状況や居住地域に関する重み付けを行った。

 対象の主な背景は、婚姻状況が既婚は男性50.0%、女性56.5%、未婚(交際相手あり、かつ同棲中)は順に1.8%、2.7%、未婚(交際相手あり、同棲なし)は6.7%、8.7%、未婚(交際相手なし)は41.5%、32.0%。性的指向は異性愛者が男性87.4%、女性82.9%、無性愛者が順に6.9%、10.0%だった。