「ゼレンスキーはニュータイプの芽」ガンダム原作 富野由悠季×高橋杉雄 終戦の日対談[2023/08/14 14:00]

■「ゼレンスキーはニュータイプの芽」

1979年に放送が開始された「機動戦士ガンダム」。ロボットアニメに政治や、戦争のリアルな描写を持ち込み、
これまでになかったアプローチでアニメ界に革命をもたらした作品です。続編も次々と制作され、
シリーズは60以上。世界中にファンを獲得し、ガンダム関連の売り上げは去年、初めて年間1000億円を突破しました。

高橋氏「去年の2月にロシアとウクライナの戦争が始まってこの戦争は色々な特徴があるが、
(富野監督は)これまで色々な作品の中で戦争を描いてきているが、描かれている戦争と映像として出てくる戦争とで
見ているときにどのようなことを感じているのでしょうか」

富野氏「ロシア軍のトップの人たちの自信のない目つきを見ると、こういう人たちが指揮をとっていると思えない。
だからワグネルが出てきてしまったのではないか、民間軍事会社に頼らざるを得なくなってしまったという構造がわかってきたときに、
これは当然旧来の戦争とは根本的に違ってきているので、戦争とは違うような気がしている。
今回の戦争を仕掛けたプーチン大統領はSNSを使っていないという証言がある。
トランプ大統領と全然違うところでリアルタイムで指揮するセンスを持っていない。
この1年を見て分かるのは、軍事というものを基本的に理解した上で統治していると思えない。」

高橋氏「プーチン大統領は人の認知空間、認識の中で戦争は恐らく起こっている。
実際彼は簡単に勝てると思ったからこの戦争を始めた。戦争始める前に1年半かかっても泥沼の消耗戦と知ってたら戦争をやらなかった可能性がある。」

富野氏「ゼレンスキーの(喜劇役者時代の)フィルムを見て『こいつが大統領になっているならそりゃ潰せるよねって』。
人を考える上で大きなヒントになっていて旧来の政治家とか旧来の軍人とか軍閥に頼っている人たち、
専門家が正しいかと言った時全く違う目線を持った人がガバナンス(統治)をする 軍を
コントロールすることができたら新しい芽が出るんじゃないか。ゼレンスキーは“ニュータイプの芽”かもしれない。」

「ニュータイプ」とはガンダムシリーズに登場する架空の概念で、超人的な直感力と洞察力を備えた次世代の人類のこと。
ガンダムの主人公アムロ・レイは「ニュータイプ」として覚醒し、戦争終結へとつながる活躍を見せました。


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