戦時中のボードゲームを遊んでわかった、当時のリアルな「戦争と軍人」 乃木希典大将のメンコが「二千億兆点」!?《大日本帝国時代のゲーム15本総レビュー》

山縣有朋のメンコは「七百万億兆点」
子供たちの遊びだって大きくは変わりません。それが一番感じられるのは……《メンコ》ですね。明治期から登場した紙メンコは長らく日本の子供たちから愛されてきたゲームであり、現代で言うところのトレーディングカードのような存在でもありました。
描かれているのは戦国武将に昔話の主人公、俳優にスポーツ選手。いずれも当時の子供たちに人気があったであろうキャラクターですが、中でも数多く残されているのは軍人のメンコです。
当時は知名度も抜群だったでしょう、日露戦争で奉天会戦を指揮したことで知られる陸軍大将黒木為楨、六万兆点。第三代内閣総理大臣も務めた山縣有朋、陸軍大将兼参謀総長だった時期を考えると日露戦争期に作られたものだと考えられます、七百万億兆点。
ちなみに先の画像で源義経と弁慶も紹介してますが、作られた時期に違いがあると言っても彼らで八十四億点と二万三千点なんだから、軍人の評価の高さたるやですよ。
勿論敵国の軍人も数は少ないですが作られています。第一次大戦時に中国植民地の提督を務めたドイツ軍中将トロッペル。変わり種では日露戦争講和全権大使を務めた小村寿太郎&セルゲイ・Y・ウィッテのコンビメンコなんかもあります。
今でこそ大人向けですら重々しく感じる面々ですが、「五千万億兆点!」みたいな子供のノリだけは変わっていないところに、現代とは異なる価値観と現代にも通じる空気感を感じられるのではないでしょうか。

https://bunshun.jp/articles/-/64729?page=3

https://bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/1/e/750wm/img_1e077774b32f3a7f717ac41f331a149d448590.jpg
https://bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/2/4/750wm/img_24246fbee1921bcd43a76603bb2c3ac0448902.jpg
https://bunshun.jp/mwimgs/c/d/1200wm/img_cdae51fef2c5bdd3042c6946dbffda1938755.jpg