非正規のほうが正規に比べて未婚率が高いのはその通りですが、注目したいのは、正規雇用者であっても、各年収帯で未婚率があがっていることです。

特に、2007年時点では、年収400万円を超えれば、25~34歳男性の半分以上は結婚できていたのに、2022年には未婚率が50%を切るのは年収500万円以上と、15年前と比べて100万円ほど結婚のハードルがあがっている点です。ただでさえ年収自体はあがっていないのに、結婚できる年収だけがあがっているということになります。

その原因は手取り額の減少です。たとえ額面の年収があがったとしても、税金や社会保険料などがジワジワとあげられていることによって、かえって手取りが減っているという状況がこの20年間続いているからです。

おまけに、コロナ禍以降は物価も上昇しています。若者たちからすれば、「給料があがっているはずなのになぜ毎年生活が苦しいのだろう」と思っていることでしょう。

婚姻数と出生数、それと財務省の出している国民負担率の長期推移の相関を見ると、驚くほど強い負の相関があることがわかります。比較をわかりやすくするために、1995年を1とした経年推移としてあります。

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婚姻数も出生数も1995年比で約40%減です。それと対照的に、国民負担率の増加は1995年比で約40%増にならんとしています。婚姻数・出生数とあわせてみると2003年頃を始点として、まるで財務省がよく使う「ワニの口」そのものの形です。

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