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雄だと思っていたら……ゴリラの出産に米動物園びっくり

米オハイオ州コロンバスの動物園で、雄だと思われていた8歳のゴリラが出産し、職員を驚かせた。

2019年からコロンバス動物園で暮らしていたゴリラの「サリー」が赤ちゃんといるのを、職員が20日に発見した。英語の「サリー(Sully)」は通常、男性の名前。

動物園はブログで、赤ちゃんは「健康そう」で、サリーは見事な母親ぶりだと書いた。

サリーは常に健康で、健康診断の必要がなかったため、これまでサリーが雌だと気づかなかったと動物園は説明している。

赤ちゃんの出産は「予想外だが、飼育係にとってうれしい驚きで、絶滅の危機にある種の保護にとっては大事な出来事だ」とも動物園はブログで書いた。

さらに、「若いゴリラの性別判断は難しい」ため、雄だと思っていたサリーが赤ちゃんに乳を与えているのを見るまで、飼育係は何も気づいていなかったのだとしている。

8歳のサリーは繁殖可能だが、性徴がはっきり見てとれるようになるにはまだ若すぎるのだという。

「8歳くらいになるまで、雄も雌もだいたい体の大きさは同じくらいで、性器ははっきり見えていない。雄の背中の毛が銀色になるのは、12歳かそれ以上になってから」と、動物園は説明している。

ゴリラはもともと腹部が大きいため、妊娠してもおなかのふくらみが外からはっきり見えることは珍しく、ゴリラの赤ちゃんは人間の赤ちゃんよりかなり小さい。

「絶滅の危険にさらされているこの種が、新しい誕生で増えたことは、とてもうれしい」と動物園は喜んでいる。

「コロンバス動物園は1956年に世界で初めて、赤ちゃんゴリラの誕生を迎えた動物園になった。今回の赤ちゃんはそれからここで生まれた34頭目の赤ちゃんで、偉大なゴリラの保護に取り組む私たちにとって、大事な仕事の一環となった」

父親を判別するため、動物園は赤ちゃんのDNAを鑑定する方針という。サリーは、39歳の雄「マック」が率いる群れの一員で、群れにはほかに「カモリ」(10歳)と「JJ」(6歳)の若い雄がいる。

サリーの性別は間違えたものの、動物園は赤ちゃんの性別については「女の子です!」と自信を示している。

「目で確認したほか、撮影した写真を別の動物飼育施設にいる霊長類の専門家に送って判別してもらった」という。