>>412
[フランス] ラアーグ周辺で白血病調査
放出物による発病は否定
https://www.jaif.or.jp/news_db/data/2001/0712-3-1.html
フランス政府の委託で実施された最新の疫学調査で、「再処理工場など大規模な産業施設の近隣での白血病の集団発生は、過疎地だった地域に急速に人口が集中移動したことに起因した可能性がある」と示唆する結論が6月28日付けで明らかにされた。
今回の調査は、78年から92年を対象に実施された初回調査 (98年に公表) の担当者で、著名な疫学者であるA.スピーラ氏のチームが新たに対象期間を98年までに広げて実施したもの。同氏は今回初めて、コタンタン半島北部のラアーグ再処理工場近隣に居住する若年層には統計的に見て有為な白血病の増加があったことを認めている。
しかし、その原因については「再処理工場からの放出物に関連するとは非常に考えにくい」と指摘しており、ラアーグ工場やそのほかの原子力施設による放出物の理論的な影響は実質的に検出できないくらい低いとの認識を表明した。
環境放射線に関する調査の結果、コタンタン半島北部の原子力施設からの放出物による被曝がボーモン・アーグ郡における白血病の検出し得る増加に結びつくとは非常に考えにくい。
ディッキンソンおよびパーカー両氏による英国カンブリア州での小児白血病および非ホジキン性リンパ腫に関する研究では、近年になって発病率と住民混合との関連性が定量化されているが、この関連性は1才から6才までの子供の急性リンパ芽球白血病については一層強いことがわかっている。90年代にはボーモン・アーグ郡という特定の地域でラアーグ工場のほか大型の関連施設が複数建設中であり、劇的に激しい人口の流入があった同地域で急性リンパ芽球白血病の増加があったという点で、決定的とは言えないまでも両者が関連している可能性は否定できない。