中国からか、嫌がらせ電話続く 「無視が一番」「業務に支障」 福島など

東京電力福島第1原発から出る処理水の海洋放出が始まった24日以降、福島県内などに中国からの発信とみられる嫌がらせ電話が相次いでいる。

 着信は自治体や企業、飲食店などさまざまで、「業務に支障が出ている」との悲鳴も上がる。

 福島県内でラーメン店などを展開する山本一平社長は「『処理水』『福島』『核』といった言葉は聞き取れた」と明かす。着信は25日以降で1000件以上に達した。「着信拒否してもかかってくるので、電話線を抜いた。毅然(きぜん)と、福島県産を応援するだけ。無視が一番だ」と強調した。

 福島市は28日、市役所や公共施設への迷惑電話が前日までの4日間で計770件確認されたと公表した。ほとんどが中国の国番号「+86」で始まる電話番号で、中国語で一方的にまくしたてたり、自動音声を流したりしていた。市担当者は「中国語を分かる人が電話に出た時、『なぜ、みんなの海に汚染水を流すのか』と言われた。嫌がらせ電話が始まると切るようにしている。でないと処理しきれない」とぼやいた。

 福島県庁の代表番号にも28日までの5日間で約1000件の嫌がらせ電話があった。内堀雅雄知事は同日、取材に対し「処理水とは直接関係ない医療機関などにも来ている。大変遺憾で憂慮している。政府に早期の沈静化に努めるよう求める」と述べた。

 宮城県白石市内の観光施設「宮城蔵王キツネ村」には5日間で100件以上の電話があった。担当者は「ばか」などの言葉は聞き取れたといい、県警に被害を相談したという。「一企業に抗議の電話をしても意味のないことを理解してほしい」と話した。 
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