対象文書「保有していない」→3年後28冊開示

訴えていたのは、細菌兵器を開発したとされる旧日本軍「731部隊」を調べている「731・細菌戦部隊の実態を明らかにする会」の
和田千代子さん(74)=東京都小平市。陸上自衛隊が防疫などを担う幹部隊員向けの参考資料として1957〜67年に発行した
雑誌「衛生学校記事」に731部隊の研究成果が記載されていると主張していた。

和田さんらは2011年12月、全ての衛生学校記事の開示を請求したが、防衛省は「保有していない」と不開示を決定。
和田さんは13年11月、独自調査で未公開と分かった42冊について開示を求めて提訴。
同省が改めて探したところ、28冊が見つかったとして14年10月に開示した。
 
判決理由で岡田幸人裁判長は、雑誌など図書を管理していた陸自衛生学校隊員の「2005年9月ごろに廃棄した」との証言は信用できると指摘した上で、
防衛省が図書館の検索システムを使わず、漫然と不開示を決定したと結論付けた。一方、不開示決定の取り消しや開示請求の訴えは退けた。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/273488