処理水海洋放出1週間 東電「運用トラブルなし」 トリチウム濃度も異常なし

東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含んだ処理水の海洋放出が始まって31日で1週間。東電は設備や運用にトラブルはなく順調としており、原発周辺の海水や魚のトリチウム濃度にも異常は確認されていない。一方、海洋放出に反対する中国は日本の水産物の輸入全面停止を続けている。

 東電は24日午後に海洋放出を開始し、30日午前0時までに計2464トンを流した。初回は17日間で計約7800トンを処分する。トリチウムの濃度が国基準の40分の1(1リットル当たり1500ベクレル)未満となるように海水で薄め、海底トンネルを通して沖合約1キロ地点から放出している。

 原発構内には約134万トンの処理水がタンク約千基に保管されている。今年度は約30基に当たる約3万1200トンを4回に分けて放出する。ただ、原子炉建屋への地下水流入などで処理水の元になる汚染水は日々発生しており、実際に減るのは約10基分にとどまる。

 東電、環境省、水産庁、福島県は原発周辺の海水や魚に含まれるトリチウム濃度を測定し、結果を公表している。これまでの分析で異常な値は出ていない。

https://www.minpo.jp/news/moredetail/20230831110016