>>228
ウィキですまんがこういうことらしいぞ

「メアリーの腸チフス」の正体
メアリーの死後、病理解剖の結果から、彼女の胆嚢に腸チフス菌の感染巣があったことが判明した。
通常、食べ物とともに消化管に入ったチフス菌は、異物を分解する役割を担ったマクロファージの細胞内で、
分解を逃れたまま増殖し、腸間膜リンパ節から肝臓、脾臓などに全身に感染を広げるとともに、
発熱、脾腫、バラ疹など、腸チフス特有の症状が現れる。しかしチフス菌が胆嚢だけに感染した場合には、
特別な症状が現れないまま胆嚢内部に定着し(特に胆石がある場合などに起こりやすい)、
生涯にわたって、菌が胆汁に混ざって腸に排出されつづけることが明らかになった。
メアリーの症例では、最初のチフス菌による感染が弱く、本人の抵抗力がそれに勝ったため症状が現れず、
また同時に腸チフスに対する抗体などの免疫を獲得したために、本人には症状が現れることがなかった(不顕性感染)のだと考えられている。
しかし便に混じって排出されつづけたチフス菌は、目に見えないもののメアリーの手指などに付着しており、
本人に自覚がなかったために手洗いを油断した際に食事に混じり、周囲の人間に感染したのだと考えられている。