事態を打開するため、万博協会は8月中旬、プレハブ工法などで建設を代行する「タイプX」を各国に提案した。
簡易な建物にして工期を短縮しなければ、開幕に間に合わなくなるとの危機感があるためだ。

関西ゼネコンの見方は厳しい。ある幹部は「タイプAの国の半分ぐらいがタイプXに移行しないと、開幕に間に合わないというのが正直な印象だ」と指摘する。

しかし、参加国側には、デザイン性の高い外観で「万博の華」とも呼ばれる独自のパビリオンを建設することへのこだわりが強い。

ベルギー政府の関係者は取材に対し、「日本の皆さんに美しいパビリオンを見せる。
他の選択肢を選ぶ必要があるとは考えたことすらない」と説明。
ポルトガル政府関係者も「タイプAの建設に向けて業者の選定を進める中で、タイプXに変更すればさらに時間がかかる」と否定的だ。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230902-OYT1T50066/3/