ロシアのラブロフ外相は1日、新学期開始に合わせてモスクワ国際関係大学の学生を前に講演し、ウクライナ侵攻で対ロ制裁を科す日本との関係悪化に触れ、「日本は米国の政策を疑わず愚かに従うことを決めた。悲しいことだ」と批判した。日本と外交関係を維持する立場は確認した。
ラブロフ氏は日本語を学ぶ学生の質問に答えた。この中で、2016年に日ロ両首脳が協議開始で合意した北方四島の共同経済活動などについて「(昨年2月の侵攻開始の)ずっと前に忘れ去られた」と主張。日本は北方領土問題を巡る対ロ非難に終始したと訴えた。
共同経済活動の協議は、新型コロナウイルス流行などで停滞した末、侵攻開始後の昨年3月にロシア外務省が離脱を発表した経緯がある。
一方でラブロフ氏は「日本は依然として隣国だ。外交関係を維持しており、これにはわれわれも賛成している。対話にもオープンだ」と発言。「非友好国」日本の言語を学ぶ学生に対して「日本のことは勉強してほしい」と激励した。

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