第105回全国高校野球選手権記念大会は、慶応の107年ぶりの優勝で幕を閉じた。慶応と言えば「エンジョイ・ベースボール」。甲子園に衝撃をもたらしたその強さを、神奈川新聞の高校野球担当が語ります。果たして高校野球に新時代は訪れるのか。(藤江広祐高校野球キャップ、和田秀太郎記者、立石祐志カメラマン、和城信行編集委員)

「エンジョイ」って?

深紅の優勝旗を掲げてグラウンドを1周する慶応ナイン=甲子園
 和城 慶応、強かったね。いろいろポイントがあると思うけど、大阪入りしてずっと取材していた藤江記者はどこを一番に挙げる?

 藤江 ここ数年、選手の素材的には慶応はずっと神奈川トップクラスです。その中で今年のチームに言えるのは、主将の大村が「森林さんを信じ切ろう」と呼びかけて、監督と信頼し合える関係性を築き上げたことが強さにつながったと思います。主体性を重んじてはいるけど、監督の言ったことには素直に耳を傾ける。そんな雰囲気を大村が率先して生み出していたようです。

 和城 エンジョイって、結構ただ楽しくやる感じに思われていて。昔のことだけど、「俺たち遊びでやってんじゃねーぞ」と神奈川の開会式で隣に並んだ学校に言われたとかね(笑)。

https://www.kanaloco.jp/sports/baseball/hsbaseball/article-1017020.html