「お手当をもらえると思ってたので、持ち金もほとんどなくて。警察に相談しても、やり取りが消えてしまっているので信用してもらえないし。東京までの新幹線代と彼女へ送った2万円を大損してしまったままじゃ悔しいじゃないですか」と嘆くケイタ、そこで秘策を思いついた。

 この損失はママ活で取り返そうと、アプリのプロフィール欄に「助けて! 今、東京駅にいます。帰りの電車賃もなくて困ってます。誰か僕を拾ってください」と書き込んだのだ。

 窮状を訴えれば、裕福な女性がきっと手を貸してくれる。ここは東京なのだから大丈夫だ、と自分に言い聞かせたが、誰からもリアクションはなく、結局親に送金してもらって帰りの切符を買うしかなかった。

 痛い目に遭ったその後も、ケイタはママ活を続けている。女性がときめくようなことを書いたほうがウケもいいのではと考え、プロフィールを「なんでもするので、僕の夢を応援してください!」に書き換えてもみた。しかしケイタのメッセージ欄は静まりかえっている。