【追悼】夢のような、ウットリするような、素敵なショーの数々で大勢の人々を魅了してきたドラァグクイーン、オナン・スペルマーメイドさん

9月1日深夜、(ブルボンヌさんの投稿で知った方も多いと思いますが)ドラァグクイーンのオナン・スペルマーメイドさんの訃報がX(Twitter)でシェアされ、一時はトレンド入りとなり、「待って。トレンドにオナンさんって出ててまさかと思ったけど、本当にあのオナンさんだった…」「信じられない」「オナンちゃん大好きだったのに…」といったコメントが続々と上がり、その後もたくさんの方がオナンさんの思い出の写真をアップしたり、心からの追悼コメントを寄せたりしています。

【追記】
「Juicy!」のジャンジさんによると、オナンさんは、7月にすい臓癌のステージ4と診断されてから闘病を続けていましたが、仲の良いご家族に見守られて、安らかに旅立ったそうです。家族葬となりますので、ご遺族のご意向により、お花やお供えなどもご辞退されるとのことです。なお、葬儀の前の時間に少しだけお別れの機会を企画していたものの、会場側の都合により中止となったそうです。最後にお別れをしたかった…という方も多いことでしょうが、どうぞ、みなさん一人ひとりの心の中で、オナンさんをお見送りください。
 
オナンさんは90年代前半からドラァグクイーンを始めた方で(先日MXで放送された「なんて美だ!」でHossyさんが第一世代、バビ江さんが第三世代とおっしゃっていたので、オナンさんは第二世代でしょうか)、二丁目はもちろん、いろんな街の、本当に様々なたくさんのイベントに出演してきました。映画祭の公式パーティや東京レインボープライドでMCを務めたり、cali≠gariのライブに出演したり、ミュージカル『プリシラ』にも出演を果たし、「Drag Queen Story Hour TOKYO」にも参加するなど、縦横無尽で多彩な活躍を見せました。
  
 オナンさんのショーほど「夢のような」「素敵な」「ウットリするような」という言葉がふさわしいショーはありませんでした。まるで良質な舞台を観ているかのような。ロマンチックな短編映画のような。ドラマチックな人生絵巻のような。一篇の詩のような。心の奥底に大切にしまっているものを引き出してくれるような…。そんなオナンさんに魅了され、大好きになった方がどれだけたくさん、いらしたことか。楽屋やフロアでは本当に明るく、気さくで、おしゃべり好きで、新人クイーンにもお客さんにも気を遣うような、素晴らしい方でした。

日本のドラァグクイーンカルチャーは世界に誇れる素晴らしいものですが、オナンさんはそのいちばん先頭で、ドラァグというものの魅力や豊かさや可能性を実に美しく、鮮やかに切り開いていってくれた方だと思います。

https://gladxx.jp/news/2023/09/8887.html