福島第一原発の処理水の海洋放出を受け、中国が日本産水産物の輸入を全面停止したことについて、外務省は4日、WTO(世界貿易機関)に対し、「輸入停止措置は全く受け入れられるものではなく、即時撤廃を求める」などとする書面を提出した。

外務省によると、中国政府は、8月31日に、緊急措置として日本を原産地とする全ての水産品の輸入を停止することを決定した旨をWTOに通報していた。

これに対し、日本政府は4日、「中国が通報した措置は、日本にとって全く容認できないものである」と反論し、「中国に措置の即時撤廃を求めており、引き続き求めていく」などとする書面を、WTOに提出した。

書面では、処理水の海洋放出後のモニタリング結果について、「海域の様々なモニタリングポイントにおけるトリチウム濃度レベルが、放出放出基準より大幅に低いことを明確に示している。また、放出は計画通りに実施されており、現在までに問題が発生していないことも示している」などと記し、放出の安全性についてあらためて説明している。

また、「福島第1原発が年間に放出するトリチウム量は、例えば中国の秦山原子力発電所から放出されるトリチウム量の約10分の1である」とも指摘した。

そして、中国の輸入停止措置は「科学的原則に基づくものとは見なし得ない」として、「遺憾の意を表明する」とともに即時撤廃を求めた。

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