ハワイ山火事1か月、ラハイナで焼失した寺の僧侶3人が宗派を超え声を合わせて読経

米ハワイ州マウイ島で起きた山火事は8日、発生から1か月となった。これまでに115人の死亡が確認され、現在も海上での捜索活動が続いている。ジョシュ・グリーン州知事は8日、確認を進めた結果、火事による行方不明者は同日現在で66人に減ったと発表した。

 地元当局によると、最も大きな被害が出た島西部ラハイナでは延焼範囲が約8・8平方キロ・メートルに及び、2200棟以上が全半壊した。これまで行方不明者は385人とされていたが、連邦捜査局(FBI)が安否確認を進めた結果、無事が確認されるなどしたという。

 ラハイナでは8日、浄土宗「ラハイナ浄土院」、真言宗「ラハイナ法光寺」、浄土真宗「ラハイナ本願寺」の僧侶3人が宗派を超えて集まり、犠牲者を供養した。3人は高台に並び立ち、声を合わせて読経した。

 いずれの寺も焼失し、僧侶らも避難生活を余儀なくされている。ラハイナ本願寺の僧侶、広中愛さん(46)は「人々は傷つき、泣いている。それでも、私たちは未来を見たい」と被災者に語りかけた。

 合同供養を提案したラハイナ浄土院の住職、原源照さん(87)は「身近な日系人も犠牲になり、生き残った人も明日どうなるかと悩んでいる。亡くなった人、家を失った人と思いを共にしたい」と語った。

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