前回の審理に引き続いて青葉被告の弁護側による被告人質問があり、2008年ごろ、青葉被告は国家財政の破綻を案じ、当時の経済財政担当大臣だった衆院議員の故与謝野馨氏へメールを送信していた、と説明した。

 これまでの公判で弁護側は、青葉被告はこの頃、女性宅への侵入事件で執行猶予判決を受けた後で、郵便局で配達のアルバイトをしていた、と説明していた。弁護側は、青葉被告は2019年の京アニ事件当時、妄想性障害の影響で心神喪失か心神耗弱の状態にあったとし、無罪か刑の減軽を求めている。

 被告人質問での青葉被告の説明によると、メールには「国民はまだ気付いていない」と記した、という。他にも、財政破綻をして「国家緊急事態宣言」を発出する状況になれば、(与謝野氏は)国会議員の職を失う▽「辞任すれば、あなた(与謝野氏)は助かる」―などの趣旨を送信した、という。青葉被告は「(与謝野氏側から)返信があったかどうかは分からないが見たと思う」と述べた。青葉被告は説明を補足しようと、空中で絵を描くように右手を頻繁に動かしながら冗舌に語り続けた。


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